子どもの事故を防ぎましょう

子どもの事故を防ぎましょう

家庭内での事故で受診された方々の多くは、不安な状態で受診され「児がかわいそう」「自分(もしくは他人)のせいで」と様々な思いがあると思います。

家庭内の事故は、児の身体的な負担だけではなく、養育者の心理的な負担も伴う悲しいものです。そのような事故を未然に防げるように「家族全員で」日頃から意識することが重要です。

家庭内での事故は100%予防することについては非常に難しいです。兄弟が多い、養育者が少ない、ペットの世話もある等々、事情は様々かと思います。しかし、可能な限り事故の回数を減らすことや大きな事故を予防することの助けになることを願います。

<児の発達に合わせた家庭内事故の予測>

発達に関しては人それぞれなため平均的な発達と、その発達段階で基本的にできるようになる動作やそれに伴う想定される事故について説明します。

月齢6前後

寝返りができるようになる。おもちゃを掴んだりそれを口に持っていこうとする。落ちたものを探す。

最初の頃は半分寝返りのみできるので、うつ伏せから戻れないなどあります。そのため、安定して寝返りができるまでは、うつ伏せになった時に窒息にならないように周囲のクッションや敷物に注意する必要があります。

また、おむつ替えやお風呂後などの着替えの際に少し高いところに置いて、目を離すと転落するようになるので床で対応したり目を離さない、もしくはベビーカーやラックにベルトを着けて乗せておくようにしましょう。

また、口にものを入れるのが大好きな時期なのでこの時期以降は異物誤飲を避ける目的で行動範囲内に口に入れてほしくないものはないようにしてください。また行動範囲内にやけどの原因となるようなものを今後、おかないようにしてください。

月齢7前後

お座りができるようになる。

目線が高くなるので少し高いところに手が届きます。また、ずりばいもだんだんしてくるので、物の整理がさらに必要になってきます。また段差(玄関や階段)からの転落の可能性もでてきます。

お座りからバランスを崩して頭を打つことも多くなります。

月齢10

つかまり立ちをするようになる

さらに目線が高くなります。このころからだんだんと少し高いところに勝手に登れるようになってくるので、やや高所からの転落が増えてくるので注意が必要です。

月齢12

一人歩きができるようになる。

大幅に行動範囲が拡大して、手先も器用になっているので、扉に入れているものを勝手に出していじったりし始めます。

また、少し高めのところにも上れるようになるので、このころから、ダイニングテーブルからの転落などが増えてきます。

歩き始めは転びやすく、そこで転倒したり小上りの角やタンスの角に頭をぶつけるなども増えてきます。

角をカバーするグッズや、扉の中の物の整理が難しければいたずら防止グッズとして貼り付けて開けにくくするものが販売しているので使用を検討してください(見ていると開け方をすぐに覚えますので見えないように開け閉めを)。あとは口にものを入れて歩く(歯ブラシが多い)は非常に危険なのでやめさせてください。

ここから先は交通事故やお風呂場での溺水が増えてきます。

湯をためておかない、風呂場のカギを占めておくなどの対策を必ずしてください。また駐車場含めて車の往来がある場所には注意を。

また、物事をしっかり理解するまではイタズラをあえて多く行い大人の注意を引こうとします。危ない行為に関してはリアクションをしすぎると面白がって繰り返したりするので、淡々と対応することがいいかもしれません。

4-5歳

だんだんと注意したことが分かるようになってくるので、危ないこともわかってきます。
ただし、まだまだ未熟なので交通事故や水辺や高所、火の元の注意は引き続きお願いします。

 

通常の育児だけでも負担かと思いますが、記載されていることについても意識していただき悲しい出来事が減ることを願っています。

事故の前にはその発達に見合った予兆があるので、その子の発達段階に合わせて環境調節をお願いします。
(誤飲の前に、「ものを口に入れて怒られて出す」。転落の前に「登っているところを注意されて降りる」等)

ヒヤリとしたら、予防を考慮!!

 

チャイルドシート

推奨されている年齢は6歳未満です。しかし、体格が小さい場合にはそれ以上の使用も勧められています。助手席への装着はエアバックとの間に挟まってしまうので危険性なため禁止です。また、チャイルドシート+ベルトなしも非常に危険です。通常よりも車外放出の危険が高くなります(発射台と同じ状態です)。加えて、助手席でのベルトなしは大人も同様ですがエアバックでの心破裂などがおきますのでやめましょう。

既定の年齢まで、チャイルドシートは「助手席ではない後部座席に」「月齢にあった向き(前か後ろ)で」「ベルトをつけて」載せてください。

乗せて走行しているときに、児の様子が見えなくて不安な場合にはルームミラーの視覚を拡大するグッズがカーショップに売っているので装着することもいいかもしれません。

<起こりやすい事故と予防のポイント>