経過観察
皮膚にブツブツ(発疹)が出たとき
基本的には皮膚に発疹がでたときでも、症状が皮膚のみで、こどもが元気そうであれば様子をみていても問題ありません。眼やその周囲、口唇の発赤が強いとき、体の一部の発赤があり強い疼痛を訴えるときは救急受診が推奨されます。加えて、発疹が紫や黒っぽく指で押しても消えない場合には出血を表している可能性があります。思い当たる外傷がはっきりしない大きなものや、多発している場合には救急受診を推奨します。また皮膚以外の症状として「意識がもうろうとしている」・「顔色が悪い」・「呼吸が苦しくゼーゼーしている、かすれ声がある」などがある場合には食物アレルギーの可能性があります。次項の食物アレルギーが疑われるときを参照してください。
【ホームケアの要点】
〇お風呂について
急に出た発疹でかゆみが出た場合には入浴によって温まりすぎると症状が悪くなる場合があるのでシャワーのみで済ませましょう。加えて、ジュクジュクした発疹の場合も皮膚のバリアがない状態なので、浴槽はさけて流水であるシャワーのみとしてください。また、ずっとあるジュクジュクしていない赤みがある発疹については清潔ケアも大事になってくるので泡を多くつけて優しく洗ってください。
【観察ポイントと受診のタイミング】
発疹における観察ポイントは以下に挙げられます。
- 発疹の症状:大きさ、色、盛り上がっているか
- 出現部位:眼やその周囲、口唇(粘膜)が多いか、どこか一部か全身か
- 増加のスピード:数日かけてか、急に増えたか
- ずっとでているか:部位ごとで、でたり消えたりするか
- かゆいかどうか
- 発熱の有無:熱が出ているか、それとも出ていないか、もしくは下がった後か
- 全身の状態:意識はちゃんとしているか、顔色が悪くないか、呼吸が苦しくてぜーぜーしていないか、かすれ声がないか、発疹とともに咳が出現したか。
- きっかけがあったか:初めて食材や料理(調理方法)を摂取した後か、薬を摂取した後か、動物と接触したか、何かに触れたり刺された後か
発疹に加えて以下の症状がある場合には受診をしてください。
- 1)ぐったりして反応が悪い
- 2)呼吸が苦しくてぜーぜーしている。かすれ声がある
- 3)顔色や唇の色が悪い
救急要請して救急受診
- 1)眼やその周囲、口唇の発赤が強い場合
- 2)体の一部が赤くなって疼痛が強いとき
- 3) 紫や黒っぽい色の発疹が大きいから多発している場合
- 4)体全身の発疹が出現してかゆみや痛みの症状が強いとき
救急外来に受診相談
- 数日前からの発疹
かかりつけ医/クリニック受診
ぶつぶつをかゆがっている場合はどうすればいいの?
一部分のみの発疹をかゆがっている場合には軟膏を塗布することが有効である場合が多いです。日中に小児科、もしくは皮膚科の受診を推奨します。全身に出現してかゆがっている場合には内服薬が必要な場合が多く、それで眠れない場合には、花粉症や食物アレルギーで処方されている様なアレルギー薬を医療機関に伝えて内服していいか確認するか、ない場合には救急外来を受診して処方を受けることが推奨されます。
そのぶつぶつは人にうつるの?
感染症に伴わない発疹は人にうつりませんが、感染症に伴うものであれば他人にうつすものも多く存在します。養育者がそれを区別するのは非常に困難であるため適切な時間に医療機関を受診して判断を仰いでください。その場合には予防接種歴がわかるように母子手帳を持参し、待合での隔離が必要な場合があるので受診する医療機関に事前に連絡をいれてから受診するようにしてください。
薬を飲んだらぶつぶつがでた
ぶつぶつが出た原因として薬が考えられる場合には、いわゆる「風邪薬」であれば一度内服をやめて飲んでいる薬を分かるようにしておいてください。またその薬剤が持病によってずっと飲んでいる場合にはかかりつけの病院に問い合わせて指示を仰いでください。