救急要請
やけどをしたとき
やけどは乳幼児が受傷することが多く、熱湯によるものが最多です。
「昨日まで出来なかったことを急に出来るようになる」「危険性を自覚できない」という乳幼児の特徴がそのままやけどを負いやすい理由になります。
やけどの重症度の判断には深さと範囲が特に重要です。
やけどの深さは以下のように1~3度に分類されています。
- 1度:皮膚の表面が赤くなっているが、水ぶくれにはならない程度
- 2度:水ぶくれが出来たり皮膚がめくれているような状態
- 3度:皮下組織まで達するやけどで、皮膚が黒くなったり、白くなっている状態
やけどの範囲は、お子さんの手のひら何個分かで簡易的に判断できます。
手のひら一個分が約1%の面積と言われています。
部位や全身状態にもよりますが、一般的に2度のやけどが10%以上、3度のやけどが2%以上の時には、入院が必要になります。
2度以上のやけどが広範囲にあると体の水分がやけどの部分から体外に出てしまい脱水になりやすいので注意が必要です。乳児は特に脱水になりやすいのでより注意が必要です。
そのほかに、気を付けたほうが良い部位のやけどがあります。
手や関節のやけどは、治癒過程で皮膚のひきつれを起こして、その後、動かしにくくなってしまうことがあります。救急外来を受診し初期対応をしてもらった上で、皮膚科や形成外科に通いながら治療をするほうが良いでしょう。
顔面や陰部の熱傷も同様です。
火災による熱傷で顔面にやけどがある場合には、気道のやけどを伴っている可能性があります。あとから呼吸が出来なくなってくることがあるので緊急性があります。
【ホームケアの要点】
〇やけどした部分を冷やしましょう
<冷やすことのメリット>
冷やすことで皮膚深部への熱の伝達を防ぎます。
冷やすと痛みも和らぎやすくなります。
<冷やす方法>
まず、流水で冷やすと良いでしょう。
氷を使用する必要はありません。
熱いお風呂に落ちたなど、服を着たままの熱傷の場合には、服の上から冷やします。
最低20~30分間以上、痛みがなくなるのを目途に冷やしましょう。
※市販されている冷えるシートは、熱傷の冷却用には使えません。
【観察ポイントと受診のタイミング】
- 1) ぐったりしている
- 2) 顔面の広い範囲のやけどである
- 3) 口の中のやけどである
- 4) 火事によるやけどである
救急要請して救急受診
- 1) 乳児
- 2) 体の一部分でないやけどである
- 3) 皮膚がめくれている”
- 4) 関節や手のひらのやけどである
- 5) 顔面や陰部のやけどである
救急外来に受診相談